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キリトリセン

2008-05-07

現存在

| 現存在 - キリトリセン のブックマークコメント

「せめて夢の中で会いたい」って人はいますか。

私はなんだかんだと複数います。


昨日、その中でも特に会いたいと思ってる人が夢に出た。

それは故人で、相手は亡くなった当時の姿や年齢で、

私は今の年齢で会っていた。


成人する前に別れたので相手は全然若くて、

別れた時の私はものすごく子供だったのに、

夢での私は今の私のまま、相手は相手のまま、会った。

違和感もなく会えてた夢だった。

けれど、どこか悲しく辛く、目が覚めた。

目が覚めて、慌てて寝なおした。

言いたいこともいわず、ただ淡々と夢の中で会い、

悲しくなったままぶった切って終わったから。

でも当然、もう夢の続きはなかった。


何度も何度も時間の許す限り寝なおした。

目覚めるたびにまた悲しくなって悲しくなって、夢見が悪い状態で起きた。


ずっと会いたくて、夢の中でいいから動いてる姿が見たかったのに、

会えて喜ぶどころか「会えたなー」って思いも感じないで普通に過ごしてた。

言いたいこと、今までのこと、すごくいっぱいあるのに一つも言えなかった。

夢の中の私はこれが夢とは知らずにいるから、今が言うチャンスだということも知らない。

これは夢だから、ずっと会いたかったなんて観念もなかった。

言いたいこと、今までのこと、これを言う事は、夢の中ではありえないんだ。

本当に言いたいことは、面と向かって言わなければ言えないんだ。


会えて嬉しかったけど、あれは嘘の空間だった。

だって私は今の年齢のままで、相手は別れた時の姿で。

そんな風に会った事はないもの。そして絶対にありえないもの。


会いたかった人、何度も夢に出てきて欲しいと願った人が出てきた意味はなんだろう。


私には他にも会いたい人がいる。

それは故人もいれば生きている人もいる。

何年も会ってないし、もう二度と会えない確率のほうが高い。


言いたいこと、沢山ある。

今までのこと、言いたいよ。

そして何よりも相手の事を知りたいよ。

そうだ、そう。

何故こんなに悲しいのか。

あといつ会えるか分からないからじゃない。

「会いたかった」と言えなかったことじゃない。


離れてた間、どう思っていたか聞けなかったからだ。


「元気だった?」とか「大きくなったね」とか、そういう言葉が聞きたかった。

私が知らないでいる時間を、「知る」事で埋めたかったんだ。

けれど時間が止まってる私たちにはそんな言葉は存在しない、だから聞けない。

でも私は生きているから時間がどんどん流れていて、その間もいっぱい考えてて、

それを聞いて欲しかったし、居る場所はちがくても同じく時間を刻んでいれば、

同じように年を重ねてそれまでの想いだって出てくるにちがいない、

けれど時間が止まった人間と進んでいる人間が会ってラグが出るのは当然。

そもそもこれは夢だから、自分の中で作られた願望も込められた夢だから、

だから、だから、「願い」のまま、「叶う」手段にはなっていなかったんだ。

そして埋める事もなく、ぽっかり穴が空いたままでいる今が、余計に悲しいんだ。


ああ、夢はこうして教えてくれるんだ。

夢はこうして現実に戻してくれるんだ。


私はもう、気づかなければいけない。

言いたいことは、ちゃんと相手の目を見て話さなければならない事。

言うという事は相手の気持ちも知りたいからでもある事。

生きていれば、それは可能だと言う事。

私はまだ、知る手段を持っているんだという事。


久々に見た母親の夢は、病室だった。

母親が横たわり、私が看病していた。

小さくて母親の体を一人では起こしきれなかった私が、

夢の中では成人している今の姿だったから、支えて起こしてあげられた。


夢の中では時間が止まっていたけれど、

少なからず当時より何かが出来るようになってた私が居た。