行乞記

頭の中に鉢を持って知識を乞う
/プログラミングサイド
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2008-12-09

[]年配者と自殺 18:25

データ

  • 図録▽失業者数・自殺者数の推移(月次、年次)
    • 『年次別の各年齢層の自殺者数の推移を見ると、1997年から98年の急増期には、50歳代前後の中高年の自殺の急増が中心であった。20~40歳代の増加の寄与率(増加数総数に占める割合)が28.2%であるのに対して、50歳代だけで寄与率がそれを上回る32.4%であった。定年前の働き盛りの世代を経済ショックが直撃し、中高年の失業の増大によって生活不安が大きく拡大したことが主な要因と考えられる。』
    • 『2004年以降は、50歳代が減少する反面、30歳代と70歳代という若い世代及び高齢者が増加する傾向となっている。2007年には30歳代が最大値を更新し、高齢者は70歳代とともに60歳代も増加している。』
  • 図録▽年齢別自殺率(男子)の長期推移と日米比較
    • 『米国と比較すると、日本の自殺率の年齢構造は、米国では高齢者になると自殺率が高くなるが、60歳代未満ではほとんど自殺率は一定であるのと比較して、極めて特異であることが分かる。フランスドイツイタリアなどヨーロッパ諸国も米国とほぼ同様の構造となっている(図録2770参照)。失業率の年齢構造を欧米について調べてみるとドイツはやや日本と似ているが全体的には日本のように中高年で特に高い失業率とはなっていない。自殺率の年齢構造は失業率の年齢構造とリンクしていることがうかがわれる。』
    • 警察庁は遺書ありの自殺について下表のような原因・動機別年齢別自殺者数を集計している。40歳代~50歳代では「経済・生活問題」「勤務問題」といった仕事・経済面が半数を超えているのに対して、60歳以上では「健康問題」が57.2%と6割近くを占め最も多い理由となっている。
    • 自殺率の年齢構造は失業率の年齢構造とリンクしていることがうかがわれる。』

データから読み取れること。

  • 20代の自殺者は理由がばらけており、基本的に突出した理由がないのが特徴であるとも言える。ちなみに10代の自殺者は学校問題が突出している。
  • 日本の自殺の特徴は、50代まで一環して自殺の割合が高くなっていくことがある。つまり、歳を取れば取るほど自殺する確立は上がっていく。特に70代は2003年から自殺者が上昇している。50代の自殺が郡を抜いているのは特徴的ではあるが、逆に2003年から下がりつつある。自殺の要因に関しては、50代は30.5%が健康問題。60代に関しては経済的問題はがくんと下がり、健康問題が半数を占めることになる。

仮説という名の妄想

  • 欧米も日本も、70代になると年齢の自殺が増加することから、恐らくは70代における自殺は、文化構造とは関係なく、何かしらの、年齢における特殊性に要因があるということは推測が可能である。予想としては、「先の見えなさ」が要因としてあげることができるとは思われる。若者の自殺者数が、景気変動があるにも関わらず、大きく変動しないのは、それが「可能性」と結びついているからだろう。健康問題も、60代未満の年齢において率があまり変動しないのは、これもまた一定の確率で現れる自殺のパターンとして考えることができる。問題は、年齢において経済・生活に収縮していくということだろう。
    • なぜ経済・生活が、歳を取るにつれてあがっていくか。指摘されているように失業率の年齢構造とリンクしており、まずやり直しがきかなくなってしまうということが一つである。この理由には多く考えられる。例えば、年齢が上がるにつれて、必然的に借金が増えていくという問題がある(借金という言い方が嫌であるならば、ローンという言い方をすればいい)。あとは、別の人が論じていたことであるが、若者の格差は修正が利きやすいのに対して、歳を取れば取るほど、それが固定されてしまうという構造がある(例えば、フリーターの問題は、まさに20代が正社員につけないとかいうチャチな問題ではなく(重大な問題ではあるかもしれないが)、30代においてもそれが続いてしまうという問題である、と自分は見ている)。また、20代は貧乏であっても許される側面があるが、段々と歳を取るにつれて、それがマイナス要因として束縛されていく可能性はある。
    • 歳をとればとるほど、経済・生活の部分において可能性を奪われていくように見えるのが、日本の自殺からみえるということは可能かもしれない。欧米に比べて、日本の自殺者が多いのは、まさに日本が可能性をやりくりしている側面があるからだろう。
    • 印象論で申し訳ないが、恐らく年配者が若者の可能性に対して期待するのに関して、いわゆる同世代の可能性に関してはそれほど信じていないということはあるかもしれない。
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