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2006.5.15のAERA、54,55ページ。全文転載しておくので、いじりたい方はご自由にどうぞ。
ページはカラーで、女性の写真が2枚。ライターは例の(?)杉浦由美子。
記事の上部隅のほうに付くカテゴリは「社会」となっております。
ページ中央の見出しはこんな感じ。
文化系女子VS.東池袋オタク女子
女オタクにも格差社会?
かつて「オタク」というと、モテない代名詞だった。
しかし、最近は「モテるオタク」と「モテないオタク」が存在するという。
「オタク間モテ格差」は男女を問わない現象らしい。
今回は美しい二人のオタク女子に登場してもらって、「モテ」の差について考えてみました。
以下は、本文。
最近、一部のオタク女子がモテているという。その名も「文化系女子」。文学や映画などのカルチャーをこよなく愛するオタク女子たちのことだ。
老舗のカルチャー誌「ユリイカ」は昨秋、本の情報誌「ダ・ヴィンチ」もこの春、大特集をした。
学生時代、クラスにいなかっただろうか?休み時間に一人で本を読んでいたり、休みの日は一人でゴダールの映画を見に行く女の子。
「ユリイカ」では男性読者の「僕たちの好きな文化系女子!」というアンケートを掲載、「ダ・ヴィンチ」の特集タイトルは「文化系女子としたい♥」だ。
そこには、男性たちの「文化女子」萌えがある。
オタクというと男女問わずモテないイメージがあるかもしれないが、そうではない。鉄道オタクだという男性(31)は言う。
「同じオタクでも音楽や映画オタクはモテて、鉄道やアニメオタクはモテないという格差があるんですよ」
つるまないのがいい?
そういえば、女優のとよた真帆も、夫で映画監督の青山真治を「オタクです」とうれしそうに言っていた。それに比べて漫画家が美人女優と結婚したという話はあまり聞いたことがない。映画監督より漫画家のほうが高所得者は多いはずなのに。
この「オタク間モテ格差」が女性にも広がっているらしい。
実際に今をときめく「モテ」系文化系女子に会ってみた。「ダ・ヴィンチ」の特集にも「文化系女子」とし、自分を「オタク」と称して登場した本谷有希子*1さん(26)は、大きな瞳に白い肌、華奢な体。「美少女」といった印象だ。
劇作家にして女優。最近では小説家としても活躍する。岸田國士*2戯曲賞候補、三島由紀夫賞候補になった経験もある。
男性ファンは絶賛する。
「本谷さんはつるまない女性の潔さがある。そこがいいんですよ」
通常劇団は何人かのメンバーで構成されるが、本谷さんは一人で「劇団、本谷有希子」をやってういる。なるほどつるまないイメージがある。
観客の6割は男性。他の劇団に比べて男性客の割合は多い。30代の男性が目立ち、周囲の女性が「ずるい」というぐらいに男性に人気がある本谷さん。ご本人は文化系女子としての人気をこう語る。
「私ははっきりと意見を言います。それを好ましいと思っている男性がいるようですね」
いわゆる「ツンデレ」というヤツだろうか?
「文化系女子は自分の世界を築いているところが魅力なんじゃないでしょうか」
執事カフェオープン
しかし、自分の世界を築いているがゆえに男性から遠ざかっているオタク女子集団も存在する。
現在、オタク女子の最大勢力である腐女子の聖地は東池袋になる。サンシャインシティの目の前200メートルのエリアは「乙女ロード」と言われ、漫画専門店やアニメグッズの専門店がずらっと並び、一大「女の萌えタウン」といった趣だ。秋葉原に集う男性オタクを「アキバ系」と言うならば、こちらは「東池袋系」女子というべきか。
ここで売られている漫画やゲームはすべて女性向けだ。男性同士の恋愛を書いたボーイズラブ、プレーヤーがヒロインになってイケメンキャラクターと擬似恋愛をする乙女系ゲーム。男性から見たらなんだかわからないようなものばかりだ。
東池袋を長期取材したTVディレクターの佐藤真夕子*3さんは言う。
「中学の頃って女の子だけで漫画や男性アイドルの話で盛り上がって楽しかったですよね。ああいうノリが東池袋の活気です」
その佐藤さんが今回密着したのは東池袋に執事カフェ「スワローテイル」をオープンさせた酒巻絵美子*4さん(25)だ。
「お帰りなさいませ。お嬢様」
と美男子が出迎えてくれるカフェ。男性たちは少女マンガに出てくるようなコスチュームを着ている「執事さん」だ。
「去年の夏に秋葉原のメイドカフェに行きました。そのときに美男子が接客してくれる女性客向けのカフェを作ったら面白いと思ったんですよ」
こんな発想をする酒巻さんも乙女系ゲーム「アンジェリーク」が大好きな「東池袋系女子」だ。
永遠の女子校のノリ
秋葉原の「メイド」に匹敵する萌えアイテムとして「執事」を見つけだしたアンテナも東池袋系女子ならでは。人気漫画家よしながふみさんの『執事の分際』などの女性向け漫画には「執事」が脇役として活躍し、東池袋系女子には「執事萌え」が存在する。
東池袋には「執事カフェ」以外にも男装の麗人風の女の子たちが接客をする「乙女カフェ」なるものもあり、こちらのお店は夜は男子禁制となる。
佐藤ディレクターは重ねて強調する。
「女の子だけでつるんでワイワイ騒ぐ、というのが大事なんです」
そう言われると、確かに秋葉原と東池袋、男性オタクと女性オタクはキレイにすみ分けが出来ている。東池袋は永遠の女子校といった雰囲気か。
もっとも、酒巻さん自身は女性誌の「モテ系OL」が誌面から抜け出したようなルックスだ。しかし、ご本人はもちろん謙遜もあるのだろうが、
「モテないです」
なぜなのか。
「合コンとかまったく興味がないんです。それよりは女の子同士で漫画やゲームの話をしているほうがずっと楽しいから」
「新潮45」編集長の中瀬*5ゆかりさんは、昨年、アエラの「女のモテ格差」の特集記事の中で、「女性が何もせずじっと待っていればモテるなんていう時代は終わりました」と語っている。
今は男性が積極的に女性にアプローチしない時代。つまり、どんなに奇麗で性格が良かろうと、それだけではモテないのだ。なんらかのシグナルを出しまくらなくてはならない。逆に言えば、女の子同士で盛り上がってしますと、男性には入り込む余地がないように見えるらしい。その典型が、東池袋系オタク女子、ということになるのだろうか。
彼女たちと接した経験のある男性の一人も言う。
「確かに自分たちで充足しきっていて、男は必要ないって感じでしたねえ」
それに比べて、文化系女子はなぜモテるのか。
男性の幻想に合わせると…
「文化系女子は文学や映画などがすきそうで、文化系男子から見て『自分の話を聞いてくれそう』に感じるのでは」
と分析するのは、オタク女子取材の経験がある編集者の大西奈巳*6さんだ。
もちろん身も蓋もないことを言えば、文化系女子にもモテる人とモテない人がいて、というだけのことかもしれないが、思わず溜飲を下げてしまうような、別のスルドい見方もある。
「男性たちは文化系女子に『まだ見ぬ理想の愛娘』的な幻想があるんだと思う。現実には『CanCam』『JJ』に出てくるような華やかでセクシーな女の子が好き。でも自分の娘は知的で男性に媚びない風に育てたい、みたいなね」(雑誌ライターの杉江あこさん)
男性の幻想に合わせて振舞ってあげること。それもモテる要素なのかもしれない。
以下は写真のキャプション。
- 図書館の棚の間に立っている女性(右ページ中央)
- 文化系女子の本谷有希子さん 1979年7月、石川県生まれ。小説の最新刊のタイトルは『ぜつぼう』
- たぶん同人誌ショップ、の前でしゃがんでいる女性(左ページ中央)
- 東池袋系女子の酒巻絵美子さん 1980年生まれ。百貨店勤務を経て現在は経営コンサルティング会社に勤める
- ダ・ヴィンチ、ユリイカの文化系女子を特集した号(右ページ中央下右寄せ)
- 「文化系女子」特集では多くのメガネ女子が登場する。知的でクールな印象が男性の萌えポイントのようだ
以上。