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2008-11-06

iphoneは使いやすい人には使いやすい 10:43 iphoneは使いやすい人には使いやすい - いつか作ります を含むブックマーク はてなブックマーク - iphoneは使いやすい人には使いやすい - いつか作ります iphoneは使いやすい人には使いやすい - いつか作ります のブックマークコメント

まとめ

  • iPhoneは、使い方を知っていれば使いやすい
  • iPhoneは、使い方を知っていれば直感的な操作が可能である
  • モリクミさんは、購入時のモチベーションが低く、「使い方を知る」までのギャップを乗り越えられなかった
  • iPhoneのマニュアルに最低限しか書いていないのは、恐らく抵抗感を無くすための仕様

はじめに

ええと、これだけで書きたい事の8割は終わっちゃうのだけれど、とりあえず正座してニールセンのAlertBoxを読め話はそれからだ。「ユーザビリティ」「直感的」という語はそれほど単純な概念じゃない。

ユーザビリティには、5 つの質的な構成要素がある:

  • 学習容易性
    • 初めてそのデザインに触れたユーザが、どれくらい容易に基本的なタスクを達成できるようになるか?
  • 効率性
    • いったんそのデザインを学習したユーザが、どれくらい迅速にタスクを達成できるようになるか?
  • 記憶性
    • しばらく使用しない期間をはさんだ後、再びそのデザインに戻ってきたユーザが、どれくらい容易に習熟度を取り戻すことができるか?
  • エラー
    • ユーザが犯すエラーの数、そのエラーの深刻さ、そして、そのエラーからの回復の容易さはどうか?
  • 満足度
    • そのデザインを使うのは、どれくらい楽しいか?

その他にも重要な質的属性はたくさんある。中でも重要なのはユーティリティ(有用性)である。これはデザインの機能性を示す言葉である。つまり、ユーザが必要なことを行えるか、ということだ。ユーザビリティとユーティリティは、等しく重要である。どんなに簡単でも、必要のないことならあまり意味はない。そのシステムでやりたいことができるはずであっても、ユーザ・インターフェイスが難しすぎて実現不可能なら、やはりうまくない。

Alertbox: ユーザビリティの基礎知識(2003年8月25日)、強調はid:fukkenによる

iPhoneの特性

上記の語を使って語ると、iPhoneは「効率性」「記憶性」「満足度」「ユーティリティ」において、比肩するものの無いスペックを誇る。一方で、「学習容易性」については疑問の余地がある。

言い換えると、iPhoneの使い方は、学ばないと決して分からない。その点で、学ばなくとも何となく使えてしまうiPodや、あるいは既に使い方を学習済であるふつうのケータイに比べ、初心者にとっては使いにくい。しかし、一度使い方を覚えてしまえば忘れにくい(拡大するには、そこをにゅーっと指で広げればいい!)し、メニューからチマチマ選ぶよりは遥かに操作性が良い。美しいインターフェイスがうにょーんとアニメーションする様は見ているだけで楽しいし、どんどん操作してみたくなる。

「操作方法を学ぶまでが大変」という弱点はAppleも自覚しているようだ。というのは

小冊子を一度見直して貰えばわかるのですけれどフリック、タップ、ピンチイン・アウトといったiphone独自の操作のうち、きちんと用語として小冊子に説明があるのはフリックのみ。

iphoneが犯したたった一つの間違い - 煩悩是道場

だそうだから。冊子で最小限の操作、用語しか説明しないのは、分厚いマニュアルで新規ユーザーが引いてしまうのを防ぐための措置だろう。

iPhoneの操作系は比喩的表現に満ち溢れたイディオム的なもので、見れば分かる類のものではない。マウスを動かせばカーソルが動くのはきわめて直感的だが、それが分かるまではマウスが何のための装置か推察することが不可能である、というのに近い。

iPhoneは、購入した後は日常的に頻繁に使うものだ。だから「習得するのが簡単」よりも「習得してからサクサク使える」方(ユーティリティ)を重視すべきである。結局はバランスの問題だが、iPhoneの「使いやすさ」は後者を重視して語られるべきだろう。

信者前提のデザイン

大抵のユーザーは、事前情報や美しいインターフェイス、Jobs神を祭るAppleStore神殿によって作り出される現実歪曲空間にハマり込み、「乗るしかない このビックウエーブに」と、iPhone大好き状態、プチApple信者状態になった上でiPhoneを使い始める。だから、操作習得程度の試練は気力で切り抜けてしまう。モリクミさんがそうならなかったのは、何となく話題だから買ってみた、程度のモチベーションだからだろう。

要するに、「iPhoneは革新的な端末だ」と思っていない人はiPhoneの想定ユーザーではないのである。ひとりでiPhoneを使えるようになるには、「iPhoneは革新的な端末だ、今までのケータイの操作性とは違う」という覚悟と、それ以上に「iPhoneは革新的な端末で、俺はユーザーエクスペリエンス革命の中心に今まさにいる!」という高いモチベーションとを必要とするのだ。

d:id:essa:20081105:p1でも触れられている通り、sb!はiPhoneの売り方を間違えた感がある。売る方の人間が「僕持ってないので~(--;)」なんていう一般人ではマズい。最低でも、「使い方が分からない…だと…?お前ちょっとそこに正座しろ俺が今から10時間かけて教えてやるから!」くらいのモチベーションを発揮できるような洗脳済の宗教戦士でないといけない。

あるいは、大量のTVCMを打つコストをかけていいのならば

本気でiphoneを販売したいと思うならタップ、フリック、ピンチイン・アウトの操作をしているところをもっとテレビCMでガンガンやるべきだろう。そして消費者に操作方法をすり込ませ、試してみたときに「直感的に使える」と思いこませるべきなのである。

iphoneが犯したたった一つの間違い - 煩悩是道場

という施策も効果的だろう。任天堂は最近よくこの手を打っている。

他の反応をざっくり眺めてみる

d:id:pbh:20081105:1225854341d:id:Snail:20081105:1225876725は「マニュアル読め」「マニュアル詳しくしろ」と書いている。これは、ある程度のモチベーションがあるか、あるいはマニュアルを読みたがる人には向いた施策だろう。だが、モリクミさんにはそこまでのモチベーションは無いわけで、それを強いるわけにもいかないだろう。また、マニュアルを分厚くしたら、きっとモリクミさんはマニュアルを読まずに食b…もとい、捨ててしまうだろう。

http://essaysinidleness.net/other/1137.html

そういうのが楽しめない人間はiPhoneというより最新の機械を持つべきでは無いと思う

という点には同意だが、どちらかというとそれは「そういう人間に売るべきではない」と販売側の責任を求めるべきだと思う。それと

Mac(PC)をまともに使えないのにスマートフォンを買うな

には違和感がある。「スマートフォンはPCより機能面が少ないのだから、より簡単に操作できて然るべき」という理屈だって成り立つはずだ。

http://hachimitu.jp/blog/archives/2008/11/05232546.html

全面同意。

終わりに

Appleの強さは、こうして擁護してくれる宗教戦士が大量にいる事なのだろうなぁ、と思う。俺なんてiPhoneもiPodもMacも持ってないのに擁護してるし。つくづく愛されモテカワブランドだなぁ。

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