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2011-01-31

赤松・竹熊対談とJコミから赤松健氏の自己矛盾を指摘する 赤松・竹熊対談とJコミから赤松健氏の自己矛盾を指摘する - 甘くておいしいおイモだよー を含むブックマーク はてなブックマーク - 赤松・竹熊対談とJコミから赤松健氏の自己矛盾を指摘する - 甘くておいしいおイモだよー

赤松のロジックは明快だ。電子書籍の割合が増えるほど、業界は一握りの人気作家によるヒット作で支えられるようになる。人気作家はすでにプロデュース能力を手にしているため、編集者が作品にアドバイスする余地はなく、よって編集者の力量が育たない。すると新人に対して有効な指導ができず、新人が育たない。人気作家たちが引退したのち、後続する才能は枯渇し、ゆるやかに業界は死に至るであろう、と。

コミックナタリー - 赤松健×竹熊健太郎、マンガ業界の5年後を考える対談

上記発言の文脈は「電子出版時代の編集者像」だが、「電子書籍の割合が増えるほど、業界は一握りの人気作家によるヒット作で支えられるようになる。」の部分は編集者の話題とは独立しているので、まずはこの部分だけ切り取って言質としてもいいだろう。以下、この記事では、この部分を指して「電子書籍に対して非観的」と言うことにしよう。

仮に氏が電子書籍に対して非観的であるならば、氏自身が進めている「Jコミ」に対しても、氏は楽観的な立場を取れないはずである。にも関わらず、新條まゆ『放課後ウェディング』の広告利益を報告した記事において、氏は楽観的な態度を示している。それは「今後全ての読み切り作品においてこの額が手に入るとは限りません。」に続く「絶版マンガが殺到し、広告が足りなくなる事態があり得ます。」という文から読み取れる。悲観的な立場であるならば、続くべきは「この額は『新條まゆ』の知名度による支えがあったものでありますので。」という文だろう。

逆に、仮に氏が電子書籍に対して楽観的であるならば、対談における電子書籍に対して悲観的な発言は出てこないはずだ。むしろ氏が進めるJコミを持ち出して「Jコミにおける広告料分配の仕組みをスライドすればいけますよ」くらいの発言が出てきても不思議ではない。にもかかわらず、それがない。もしかしたら、氏はその旨を発言していたにも関わらず、元記事で切り落とされてしまったのかもしれない。それでも、少なくとも、氏が電子書籍に対して悲観的であることは間違いないだろう。

Jコミに対しては楽観的だが電子書籍に対しては非観的――。氏のスタンスは表面的には矛盾している。これをもって氏を批判するのはたやすい。だがここでは、この表面的な矛盾をもって、氏のスタンスの裏側にあるもうひとつの自己矛盾を述べようと思う。そのために、対談の趣旨である「電子出版時代の編集者像」にまで踏み込んでいこう。

まず考慮すべきは、氏が「一握りの人気作家」側の人間であることだろう。氏にとっては、電子書籍時代における編集者がどうあれ、氏の作品のプロデュースは揺るがない。編集者などどうでもいい、とまでは言わないが、少なくとも編集者の不在が氏の作品のプロデュースにおいては死活問題とならない。氏はそう考えているのではないか。

ところで、Jコミの広告枠に関する氏のアイデアを見てみよう。当ブログのコメント欄において、氏は「5~10種の作品の(同じ位置の)広告枠をまとめて売却し、人気作品と不人気作品を均(なら)す」と述べている。これはこれまで編集者(特に雑誌編集者)が行ってきた新人プロデュース手法のひとつである。 人気作品が新人作品を支えることにより、次の世代の作家を育てているのである。そう、氏はJコミにおいて、まさに編集者としての役割の一旦を担っていると言えるのだ。

懸命な読者ならもうお分かりだろう。Jコミにおける「編集者」たる赤松氏が、電子書籍時代の編集者は「絶滅」するという旨の発言をしている、という自己矛盾に。 控えめに言っても、氏自身の広告枠に関するアイデアが編集行為そのものであることについて、氏は意識的でないように見える(少なくとも氏のブログにはそういった旨の記述はない)。

それもむべなるかな、氏は徹底して「作家」であり、作家の立場に立つ人間である。これは氏のブログの最初の記事に「作者にちゃんとお金が行く」と書いていることからも伺える。だが、真に他の作家のことを考えるなら、氏は自身の「作家」兼「編集者」という立場をJコミに集う他の作家に対してオープンにするべきだ。そしてJコミに集う作家は、氏が「編集者」であることに意識的であるべきだ。作家と編集者は共犯関係にあるとは言え、仕組み上、作品の生死を決めるのは「編集者」たる赤松氏によるところが大きいのだから。

2007 5th2007 5th2011/02/15 17:48赤松先生が電子書籍に悲観しているのは、電子書籍の仕組みでは
ワンピースやナルトのようなメガヒット作品が出ないのではないかと
いうこと。
Jコミに楽観しているのは、絶版済みの作品でも電子版を出すに足る
程度の数十万円という収入が見込めるということ。
同じ電子出版でも期待していることが全然ちがうのであって、矛盾などしていない。電子出版で同じだからと括りつけて、趣旨の違うことを矛盾しているということのほうがおかしいと思う。

2007 5th2007 5th2011/02/15 17:54赤松先生が編集者など以上にJコミの経営者であり、
その経営判断が売上に影響するのは言うまでもないことだと思う。
そんなこと最初からオープンにされているし、
参加する作家さんは承知していることではないでしょうか?

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