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甘くておいしいおイモだよー このページをアンテナに追加 RSSフィード

2010-07-04

【ネタバレ】映画『踊る大捜査線3』を見てきた 【ネタバレ】映画『踊る大捜査線3』を見てきた - 甘くておいしいおイモだよー を含むブックマーク はてなブックマーク - 【ネタバレ】映画『踊る大捜査線3』を見てきた - 甘くておいしいおイモだよー

パンフみたらテーマが「生」だか「死」だか書いてあるけど、本当のテーマは「(かつて生きた者から今を生きる者への)継承」だよね、これ。クライマックスである旧湾岸署の爆弾の前で青島と日向真奈美が二人きりのシーンでやりとりされる二人のセリフからはそう読み解くしかない。

今作最大の「敵」たる日向真奈美が「継承」をかのように体現しているのに対して、湾岸署の面々はどうか。和久甥と和久ノートは「継承」の最たる象徴で、事あるごとに和久甥がノートの言葉を読み上げるし、青島もその中に書かれている言葉に奮起するわけだけど、取ってつけた感が否めない。むしろ、窮地の青島の頭の中に、かつてドラマ本編や映画で和久が実際に言った言葉が声とともに思い出されて、その言葉に奮起して事件解決、みたいな展開の方が「和久さんはもういないけど、和久さんの心は俺の中で生きつづけてるんだ」という感じでたぎるよね、と。

「継承」と言えば、特に夏美がもったいないなあと。彼女は初夏の交通安全スペシャルに登場して、桑野婦警から教えを受けていて、今回は強行犯係に配属されているわけだけど、桑野の想いを受け継いでいるという素振りが感じられなかった。いや、パンフには一応書いてあるんだけどさ、桑野の肝っ玉感とか厳しさとかが伝わってこねーわけですよ。多分これは、夏美に後輩らしい後輩がいないのが原因なんだろうけど。(栗山と王は土壇場以外ではディスコミュってるので問題外。)

この二点を見ても、「継承」よりもむしろ「決別」という感が強いし、実際パンフには「新・踊る大捜査線」なんても書かれちゃってるわけだけど、製作陣の想いを鑑みれば納得できる面もある。和久平八郎を演じていたいかりや長介は既になくなっているし、エンディングで署長の座を交代した北村総一朗も72歳と妙齢だ。今後も『踊る』を続けていく意志が製作陣に多少でもあるならば、老いた方々にはこの際に交代していただいた方が都合がいい。そこに「生」と「死」というテーマがうまくマッチした。こう考えると、「老い」という現実世界の問題が先にあって、そこにテーマをうまくマッチさせたのではないか、という説だって立てられる。サブタイトルの「ヤツらを開放せよ!」の「ヤツら」も、実は老いた者たちを指してるんじゃないかという邪推だってできる。

そんなわけで、7年ぶりに見た『踊る』は、エンターテイメントとしてはまだしも、作品としてはフラストレーションが溜まるというやるせない映画だったわけだけど、見落としている箇所がまだあるかもしれないし、青島がなくしたはずのコートをスローモーで羽織って外に飛び出していくシーンでたぎりたいので、もう一回くらいは見に行ってもいいかなと思った。

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